活動報告


活動報告

2012年10月20日土曜日

ネパール・ロープウェイ・プロジェクト現地調査報告

「ネパール・ロープウェイ・プロジェクト」の視察と打ち合わせのため、ネパールに向かいました。
下記に報告をいたします。
(日本ネパール友好協会 監事 長野 寛)

○目的:現地の民間事業家のプロジェクトに技術支援をすることで、同国の経済の活性化やインフラ設備の発展に寄与する。

○期間:2012年8月29日~9月7日

○場所:ネパール西側、GANDAKI県のPokharaに在る小高い丘のSarankot(海抜:1600m)

○計画の発端
:ネパールの国を思い、同国の産業やインフラ事業を少しでも前進させるため、現地実業家のMr.Sharad氏が経営する「Fishtall View Cable Car Ltd」が計画するプロジェクトで、知り合いの当協会の会長に、日本の技術支援の要請があり、現地の観光産業や雇用の増大につながればと、技術協力をすることになりました。

○計画の概要
Pokharaは首都Katmanduから西へ約200km以上離れた、湖(Phewa Tal)がある綺麗な町で、王様の時代は王宮の別荘があり、現在は国有化され公園とし公開されています。日本の赤坂や六本木に例えられ、外国人が多く住んでいます。

Sarankotは山側にある小高い丘で、頂上に登ると、真下に湖が、その横にはPokharaの街が一望出来ます。反対側は目線より上に、アンナブルナのマチャプチャ(6993m)の尖った真っ白い勇姿や連なるヒマラヤの景観を観ることができます。素晴らしい景色です。

今回のNo.1プロジェクトはこの素晴らしい景色を観光客に観ていただくために、Pokhraの町から頂上近くまでロープウェイで約3400mの距離を約12分で到着出来る設備を計画するものです。Pokharaには、年間約70万人の外国観光客が来ます。町からゴンドラ(6人乗り)で頂上まで行けて、この素晴らしい景色が見られるとなると、多くの人が訪れることが期待されます。



これらの施設が完成したあとは、別のNo.2プロジェクトとして、空港から湖を経由し、Pokharaの街中を経て今回のRopewayの駅まで走行する、モノレールの計画もあります。


○スケジュールと行動

8月30日
0:20羽田発、→4;50バンコック着
10:15バンコック発→12:25カトマンズ着
14:00カトマンズ市内のホテルに着き、休息後、Mr.sharad氏と食事しながら打ち合わせ。モモ(餃子みたいなもの)とビールで乾杯。



8月31日
Mr.Sharad氏と他のメンバー(Mr.Yug氏,Mr.Dow氏)と計画内容について、一日、打ち合わせ実施。


9月1日
今回のプロジェクトを円滑に進めるためにNepalを良く知って欲しい、との主旨で、Mr.Sharad氏とMr.Dow氏がカトマンズ市内にある、ヒンズー教の聖地であるパシュパテイナート寺院と仏教の聖地であるスワヤンブナート寺院及び生きた神様の住む寺院を案内してもらい参拝。
ネパール人口3000万人の内、80%がヒンズー教徒と仏教徒とで占めている様子。




帰りに、Mr.Sharad氏の奥さんの実家を訪問し、お茶をご馳走になりました。
彼の奥さんは、最近まで大学の学長をされていたようで、素敵な方でした。


9月2日
カトマンズからPokharaに移動。三菱製のジープでMr.sharad氏,Mr.Dow氏,運転士、と私の4人で、昼前にカトマンズを発って、ポカラに着いたのは午後5時頃で高速道で約6時間掛かりました。
早速、Sarankotの調査開始、地元の方の案内で、図面で当初の計画コースよりずらして、頂上までのコースが直線になるようにした場合の最初の丘を確認、して山を降り、発着ポイントS1を確認。

暗くなりホテルに戻る。停電中で、僅かな照明のなかで夕食を摂る。湖の傍のホテルで町に照明がないため、周囲が暗いため星が大変綺麗で大きく見えました。


9月3日
Sarankotのsunriseを見ようと、朝5時に起床、頂上近くまで車で行き、20分位徒歩で登って頂上に到着。曇っていたが既に日は登っていた。地元の方や観光客が既に来ていた。
頂上よりコース全体を確認。頂上近くに平坦なグリーン地帯が約30m×150m位、確認できた。既設民家もあるが、この左側に到着ポイント(S3)を設ける予定。


2時間くらい写真などを撮りながら調査後、下山して、頂上より見えたSarankotのふもとを流れる河川の調査のため移動。各点の水量を概略確認して小水力発電に適した水量が有るのかを確認。場所の決定は次回再度、もう少し上流で調べることにした。



Sharadさんの友人のレストランで昼食後、Katmanduに帰る途中にあるNepalで只ひとつある既設Ropewayを見学するためPokharaをあとにした。
16時頃、Manakamana Cable Car に着いた。Ropewayで頂上まで乗り、頂上にあるお寺にお参りして下山。

途中、必要なRopewayの写真を撮影、特に、鉄塔の基礎部分の仕上げ程度を確認。距離3km,鉄塔20、ゴンドラ31,速度6m/s,高低差1000m,輸送能力600人/Hr,の設備仕様であった。

19時頃ホテルに到着。


9月4日
今回お世話になる、Mr,Sarad氏の友人が責任者をしている地元の開発銀行(GURKHA DEVELOPMENTBANK(NEPAL)LTDのAmod Managerにアポイントを取り二人で挨拶に行く。彼の今回のProjectに対する考えを説明する流暢な英語は早すぎて概略は判ったが半分くらいしか聞き取れませんでした。(語学不足痛感)

午後にオフィス街にあるMr.Sharad氏の会社に行く。非常に立派な事務所だが停電で空調がきかず暑かった。事務の若い女性がお茶を入れてくれた。


9月5日 
ホテルで、MR.Sharad氏、Mr.Yug氏、Mr.Dow氏を含めて4人で、今回の調査結果と、今後のスケジュールについて打ち合わせ。Mr.Yug氏が開発中の水素発電の技術についても話し合った。

3人は私の帰国に対し、次回はいつ来るんだ!と聞かれた。基本計画図が出来るのは11月になる、と答えた。


9月6日
Katmandu13:30発、18:15 BANGKOK着、22:10 BANGKOK発、


9月7日
TOKYO/NARITA到着、空港からバスで新百合で下車、10時頃自宅に帰還。



○NEPALについての感想

1)Nepalは神を信じ敬う国で、古来、多くの神々を崇拝し、国民の80%がヒンズー教徒と仏教徒で占める、と聞きました。その多くがブッダを崇拝しており、シャカムニブッダの教えをさとす神々は、日本にも五大如来として伝えられ「一切の無」の具現化として伝えられています。

泊まっていたホテルの前で牛が居座っていても、高速道路で、牛が草を食べて道路を塞いでいても、人々は牛が動くまで、人も車もじっと待っているのには驚きました。そのくらい牛(神様?)を大切にする国民です。

カトマンズの街中は、人が余りにも多くて溢れているのに驚きました。そして日本人のように余り忙しそうに行動はしていません(仕事がないから)が、非常に若い生命力と凄いPowerを感じました。これから何かが起こりそうな、そんな躍動するエネルギーを!

2)Nepalは、電力不足で1日8時間程度しか電気が使えず、有効に利用できる時間帯で電力会社と契約しているようです。カトマンズの大きなホテルでは自家発電設備を持っており、朝夕の契約停電時間帯と同時に自動的に自家発に切り替えが行われておりました。
Pokharaのホテルでは、夜になると、昼間の給電中に充電をしておいた充電式照明器で照明を行い,電気が無くなるとローソクに切り替える様です。ローソクは常備されております。私たちは、庭の芝生に出て、テーブルのローソクで、お茶を飲みながら、輝いている美しい夜空の星を楽しみました。月の光だけでローソクも要らないくらいです。
何か日本では味わえない人工照明のない暗さの中で、月と星だけの光の中で味わう素敵な空間を感じることができました。
ふと星を見ながら考えてことは、日本の脱原発が国民の総意(一般意志)であるならば、電力不足対策として、電力消費を抑えるために、ネパールの様に60%節約までは行かなくとも、約20~30%程度までの節約を覚悟して多少不便な生活にも耐える義務が生じる、と言う事を我々は認識する必要があるのではと思いました。

以上が、今回ネパールに行き感じた事でした。

2012年6月1日金曜日

第75回ネパール訪問

1月に第75回ネパール訪問があり、皆様からの会費の内から30万円を、現地責任者に今年度の就学支援金として渡していただきました。
ネパール現地学童への就学支援:ダンクタ、ゴルカ、ビルタモード3都市の10校と1孤児院の学童計105名に就学支援金が届けられました。なお、105名の内、学童24名は、昨年度から継続して支援ができました。



大勢の方が授与式に参加下さりました。期待のほどが感じられます。今後も継続して支援して行きたいと思います。ご協力有難うございました。




先生からティカを受ける学童。 ネパールでは、お祝いやお祈りなど儀式のときに、祝福のしるしとして、 額にティカ(赤い粉におこめを混ぜ、水でといたもの)をつけます。